About

1964年、初めて東京でオリンピックが開催された年、原宿は神宮前に個性的な集合住宅が誕生しました。名前は“ビラ・ビアンカ(白い館)”。ディベロッパーである興和商事の創業者・石田鑑三が、欧米視察で得た住宅デザインのアイデアを建築家の堀田英二に伝え、具現化されたものがそれでした。総戸数は45戸。コンテナのようにいくつもの立方体が積み重なる外観の意匠は、当時多くの人にインパクトを与え、『LIFE』誌をはじめとするさまざまな海外の雑誌でもモダンな集合住宅として好意的に取り上げられました。現在ではその高いデザイン性に注目が集まっていますが、往時のパンフレットをひらけば「世界のレベル」という言葉がいくつも並び、セントラルヒーティング、システムキッチン、アルミサッシなど、当時の最新設備を有する先進的な高級共同住宅だったことがわかります。

そんなビラ・ビアンカの屋上階に1室だけある、広さ6畳ほどの小さな部屋。かつては住人のための“展望室”として利用されていましたが、いつしかその需要はなくなり、ここ十数年はデザイン会社の打ち合わせスペースとして使われていたそうです。しかしそのデザイン会社も2年ほど前に退去し、次の借主としてその部屋へと引き寄せられたのは、私たちKINFOLKでした。

ここで何ができるだろう……。そう考えたときに真っ先に思いついたのは“書斎”。このまっさらな箱の中にヒストリカルな家具を置くことができたなら、さぞかし魅力的に違いない。私たちはしばらく思い巡らせたのちにその思いをGALLERY-SIGNの代表・溝口に伝えることにしました。理想とする空間を作り上げるには、彼の協力なくして実現は不可能だと考えたからです。

ジャン・プルーヴェやシャルロット・ペリアンが戦後日本で果たした役割を伝えることを目的に、アジアでは初めて仏人デザイナーの家具を専門的に展開するギャラリーとして2005年に誕生したGALLERY-SIGNは、数々の書籍の出版および企画展の開催を成功させてきました。そして何よりも、これまで多くの人々が溝口の情熱によって心を動かされてきました。熱心という言葉では喩えられない彼の特殊なこだわりは、その仕事に艶かしく表れ、周囲を魅了し続けています。そしてその交友関係は世界中にわたり、彼のもとにはアートやデザインそして建築の歴史を彩った名作品がおのずと集まってくるのです。溝口そしてGALLERY-SIGNとコラボレーションしたい、と強く思った私たちの熱い気持ちを伝えてみると、こちらの根気に負けたのかふたつ返事で協力を快諾してくれました。

構想から1年。ビラ・ビアンカの屋上階にある小さな部屋にはこうして家具が並びました。部屋の名前はKINFOLK CASE STUDY ROOM。ここでは家具を定期的に入れ替え、私たちが理想とする書斎を何度も作り上げていきたいと考えています。そしてその様子を、オンライン上で公開していきます。もちろんここに並ぶ家具たちは、for sale。もしもご興味がありましたら“Contact”よりご連絡ください。KINFOLK CASE STUDY ROOMが皆さまのインスピレーションを少しでも刺激することができるなら、私たちにとってそれ以上に嬉しいことはありません。

About Kinfolk

Kinfolk とはコペンハーゲン発のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上を目指し、世界中のクリエイティブ・コミュニティをつなぐ雑誌です。よりシンプルな生活、コミュニティの繋がり、そして家族や友人と過ごす方法を読者のみなさまにお届けします。2011 年にオレゴン州ポートランドで創刊したKinfolk は、ライフスタイルマガジンを代表するひとつにまで成長しました。また、インターナショナル版として日本、中国、韓国で翻訳/出版されています。Kinfolk に携わる寄稿者はコペンハーゲンからケープタウンにまでわたり、ウェブ、紙面、SNSを通じてKinfolk のコミュニティは世界的に広がりを見せています。

About Gallery-Sign

2005年、東京・恵比寿にオープン。ジャン・プルーヴェやシャルロット・ペリアンが戦後の日本で果たした役割を伝える事を目的に、アジアでは初めてフランス人デザイナーの家具などを専門的に展開。「柳宗理」展(2009 ‒ 2010)や「シャルロット・ペリアンと日本」 展(2011 ‒ 2012)の企画や作品協力を行い、2012 年にはジャン・プルーヴェの娘であり、美術史家のカトリーヌ・プルーヴェ氏協力のもと、阪急コミュニケーションズ(現:株式会社CCCメディアハウス)から「JEAN PROUVÉ CONCEPTEUR‒CONSTRU CTEUR」を出版。また、同時期の建築家やデザイナーである坂倉準三や丹下健三、柳宗理にもスポットを当て、国内外のギャラリーや美術館と協力し、日本デザインの企画展・研究・普及活動も行っている。2015年GALLERY‒SIGN Hiroshimaを平和都市・広島にオープン。2022年にはARCHIVES GALLERY-SIGNを設立。同アーカイブでは、建築家が自邸で愛用していた「家族のための家具」の復刻販売や作品集の出版を軸に、利益の全額を歴史的住宅の修繕費用などの基金とする文化活動を本年から本格的にスタートする。

About

1964年、初めて東京でオリンピックが開催された年、原宿は神宮前に個性的な集合住宅が誕生しました。名前は“ビラ・ビアンカ(白い館)”。ディベロッパーである興和商事の創業者・石田鑑三が、欧米視察で得た住宅デザインのアイデアを建築家の堀田英二に伝え、具現化されたものがそれでした。総戸数は45戸。コンテナのようにいくつもの立方体が積み重なる外観の意匠は、当時多くの人にインパクトを与え、『LIFE』誌をはじめとするさまざまな海外の雑誌でもモダンな集合住宅として好意的に取り上げられました。現在ではその高いデザイン性に注目が集まっていますが、往時のパンフレットをひらけば「世界のレベル」という言葉がいくつも並び、セントラルヒーティング、システムキッチン、アルミサッシなど、当時の最新設備を有する先進的な高級共同住宅だったことがわかります。

そんなビラ・ビアンカの屋上階に1室だけある、広さ6畳ほどの小さな部屋。かつては住人のための“展望室”として利用されていましたが、いつしかその需要はなくなり、ここ十数年はデザイン会社の打ち合わせスペースとして使われていたそうです。しかしそのデザイン会社も2年ほど前に退去し、次の借主としてその部屋へと引き寄せられたのは、私たちKINFOLKでした。

ここで何ができるだろう……。そう考えたときに真っ先に思いついたのは“書斎”。このまっさらな箱の中にヒストリカルな家具を置くことができたなら、さぞかし魅力的に違いない。私たちはしばらく思い巡らせたのちにその思いをGALLERY-SIGNの代表・溝口に伝えることにしました。理想とする空間を作り上げるには、彼の協力なくして実現は不可能だと考えたからです。

ジャン・プルーヴェやシャルロット・ペリアンが戦後日本で果たした役割を伝えることを目的に、アジアでは初めて仏人デザイナーの家具を専門的に展開するギャラリーとして2005年に誕生したGALLERY-SIGNは、数々の書籍の出版および企画展の開催を成功させてきました。そして何よりも、これまで多くの人々が溝口の情熱によって心を動かされてきました。熱心という言葉では喩えられない彼の特殊なこだわりは、その仕事に艶かしく表れ、周囲を魅了し続けています。そしてその交友関係は世界中にわたり、彼のもとにはアートやデザインそして建築の歴史を彩った名作品がおのずと集まってくるのです。溝口そしてGALLERY-SIGNとコラボレーションしたい、と強く思った私たちの熱い気持ちを伝えてみると、こちらの根気に負けたのかふたつ返事で協力を快諾してくれました。

構想から1年。ビラ・ビアンカの屋上階にある小さな部屋にはこうして家具が並びました。部屋の名前はKINFOLK CASE STUDY ROOM。ここでは家具を定期的に入れ替え、私たちが理想とする書斎を何度も作り上げていきたいと考えています。そしてその様子を、オンライン上で公開していきます。もちろんここに並ぶ家具たちは、for sale。もしもご興味がありましたら“Contact”よりご連絡ください。KINFOLK CASE STUDY ROOMが皆さまのインスピレーションを少しでも刺激することができるなら、私たちにとってそれ以上に嬉しいことはありません。

About Kinfolk

Kinfolk とはコペンハーゲン発のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上を目指し、世界中のクリエイティブ・コミュニティをつなぐ雑誌です。よりシンプルな生活、コミュニティの繋がり、そして家族や友人と過ごす方法を読者のみなさまにお届けします。2011 年にオレゴン州ポートランドで創刊したKinfolk は、ライフスタイルマガジンを代表するひとつにまで成長しました。また、インターナショナル版として日本、中国、韓国で翻訳/出版されています。Kinfolk に携わる寄稿者はコペンハーゲンからケープタウンにまでわたり、ウェブ、紙面、SNSを通じてKinfolk のコミュニティは世界的に広がりを見せています。

About Gallery-Sign

2005年、東京・恵比寿にオープン。ジャン・プルーヴェやシャルロット・ペリアンが戦後の日本で果たした役割を伝える事を目的に、アジアでは初めてフランス人デザイナーの家具などを専門的に展開。「柳宗理」展(2009 ‒ 2010)や「シャルロット・ペリアンと日本」 展(2011 ‒ 2012)の企画や作品協力を行い、2012 年にはジャン・プルーヴェの娘であり、美術史家のカトリーヌ・プルーヴェ氏協力のもと、阪急コミュニケーションズ(現:株式会社CCCメディアハウス)から「JEAN PROUVÉ CONCEPTEUR‒CONSTRU CTEUR」を出版。また、同時期の建築家やデザイナーである坂倉準三や丹下健三、柳宗理にもスポットを当て、国内外のギャラリーや美術館と協力し、日本デザインの企画展・研究・普及活動も行っている。2015年GALLERY‒SIGN Hiroshimaを平和都市・広島にオープン。2022年にはARCHIVES GALLERY-SIGNを設立。同アーカイブでは、建築家が自邸で愛用していた「家族のための家具」の復刻販売や作品集の出版を軸に、利益の全額を歴史的住宅の修繕費用などの基金とする文化活動を本年から本格的にスタートする。